ネームバリュー、ブランドは重要？|ペンキ屋・のむら

「判断基準は価格だけでいいんですか？」では、安さに潜むリスクについてお話ししました。「安い業者を選ぶのがNGなら、大手を選べば安心だろう」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか？

一般的には、何かを買おうと思ったとき、ネームバリューやブランドは大きな拠り所になりますが、外壁塗装の業界ではそれが当てはまらないことがあります。また、塗り替えで失敗してしまう人は、業界のことを知らない人が多い傾向にあります。満足のいく外壁塗装をするためには、ネームバリューやブランドの裏に隠された業界の実態を知っておくことが重要です。

外壁塗装の依頼先は大きく、「ハウスメーカー」「大手リフォーム会社」「塗装専門店」の3つがあります。依頼先ごとの特徴を簡単にお話ししますので、業界のことを知るためにぜひ参考にしてください。

自分の家を新築してくれたハウスメーカーに外壁塗装を依頼したとしましょう。ハウスメーカー自身がペンキを塗ってくれるのかと思いきや、そうではありません。実際に施工にあたるのは下請けの塗装業者で、ハウスメーカーは営業して契約を取るだけが仕事なんです。

ハウスメーカーにとっては、外壁塗装より新築や増改築のほうがはるかに高い利益を得られます。ハウスメーカーにとって外壁塗装は旨みのない仕事ですから、下請けを使って数をこなすことで儲けようとします。そして、立場の弱い下請けに無理な短工期を要求し、その結果、下請け業者は下地処理を省くなど必要な工程を飛ばさざるを得なくなり、劣悪な施工をしてしまうんです。

施工の品質が下がるだけでなく、中間マージンも発生して費用に上乗せされますから、消費者にとって歓迎できる仕組みとは言えませんよね。

大手リフォーム会社も基本的にはハウスメーカーと同じで、契約を獲得したら、あとは下請け業者に丸投げというパターンがほとんどです。ですから、施工品質はその下請け業者の実力次第ということになってきます。

そのうえ、大手リフォーム会社はテレビCMやモデルハウスなどの広告宣伝に多額の費用を投じていますので、そのお金は見えないかたちで見積もりに上乗せされてきます。訪問販売の営業マンがいる会社であれば人件費もかかりますので、さらに金額が跳ね上がります。結論としては、品質の面でも価格の面でも、あまりおすすめはできません。

その名のとおり、外壁や屋根の塗装を専門とする業者のことです。業歴などにもよりますが、地域で長く続いている業者なら一定の品質は期待できるでしょう。ハウスメーカーや大手リフォーム会社の下請けとして働いている業者もありますが、消費者から直接依頼すれば中間マージンも発生しませんので、費用も比較的安く済みます。

業者の実力・経験をしっかりと見極めたうえで依頼できれば、コストパフォーマンスのいい満足のいく塗り替えができると思いますよ。

今、お話しした内容は、すべてのハウスメーカー・大手リフォーム会社・塗装専門店に当てはまるわけではありませんが、そういった傾向にあることは確かです。

「ハウスメーカーだから安心」「名の通っているリフォーム業者だから大丈夫」ではないことが、お分かりいただけましたよね？　ネームバリューやブランドがなくても、よい塗装専門店を見つけられれば、十分に満足のいく外壁塗装ができるんです！

とは言っても、世の中には数多くの塗装専門店がありますので、選ぶのも難しいと思います。次のページでは、塗装専門店のなかでもどんな業者がいいのかお話ししていますので、ぜひ参考にしてくださいね。